僕の女王様
『少しは遠慮しろ』という声が聞こえそうだ。


当然そうなることを予想して、使用人は動いているので動揺はない。


すぐに全員分の朝食が用意され、揃ったところで手を合わせる。


「いただきます」


おいしい朝食をいつも以上に時間をかけて食べると、すでに8時になっていた。


『9時に駅前で待ち合わせ』は、飛ばすとしても、9時10分の電車に乗らないと計画どおりに進まない。


出だしから出鼻をくじかれると、計画はもうどうでもいいものに思えてくるから不思議だ。


とはいえ、見張りがいるため仕方なく、重い腰を上げて支度整えるために自室に戻る女王様を見送る。


8時半に声をかければ、ため息混じりに自室から顔を見せる女王様にうらみがましい視線を向けられる。
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