僕の女王様
「千里と付き合うことになった」


勇人を屋上へ呼び出すとそう告げる。


一応、卒業までは秘密にしておく約束だったが、勇人には伝えておきたかった。


「・・・よかったな」


少しの間は、まだ未練があることをにおわせる。


「ありがとう」


悪いことはしていないから、謝罪はしない。


付き合うことになったとはいえ、特に変わったこともない。


遊園地に行く前に戻っただけだ。


朝、起こすのも僕の仕事に戻った。


相変わらず寝起きは機嫌も悪いしなかなか起きてくれない。


しかも、いつもどおり枕は飛んでくる。


当然、2人の関係は全員に秘密なので、仕方のないことと言えなくもないが、変化を期待していた自分としては、寂しさを感じずにはいられない。


あの日は、あんなに可愛かったのに・・・。


って言ったらたぶんタコ殴りにあうだろう。
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