僕の女王様
「海斗?久しぶりだな」


「ご無沙汰しております」


ついにこの時が来た。


一応、かしこまって答える。


いっそのこと、ずっと無視していて欲しい。


と、言うはかない願いは転校2日目でたたれた。


思い出ほど、嫌みな感じはない。


「昔は悪かったな」


自分の耳を疑う。


こいつの口から『悪かった』などと、一応謝罪にも聞こえる言葉が聞けるとは夢にも思っていなかった。


「そんなに警戒するなよ」


「俺のせいだな」と、苦笑するこいつから過去の面影は見つけられない。


「何しに?」
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