僕の女王様
「正也さん、おじ様どこにいらっしゃるかご存知ですか?」


険悪な空気を断ち切る為に今日の主役の名前を出す。


「えぇ、ご案内いたします」


出された正也の手に躊躇いながら自分の手をのせる。


「祐也は、美沙子さんをエスコートしてね」


そう言えば正也は2人を置いては行けない。


「おじ様、ご無沙汰しております」


そういって部屋に入れば、叔父は異例の取り合わせに驚きを隠せずにいる。


「父さん、千里さん連れてきたよ」


「あ、あぁ」


「お誕生日おめでとうございます」


「大した物ではないのですが…」と、言ってワインを手渡す。


父のワインセラーから頂いた物だから味は悪くないはず。
< 65 / 84 >

この作品をシェア

pagetop