僕の女王様
「じゃあ、今日から一緒に登下校しよう」


それだけ言うと彼は自分の教室へ向かう。


返事を返した覚えもなければ、「じゃあ」の意味もわからない。


「おめでとう」


「殴ってもいい?」


おかしそうに言う裕也に、こぶしを握りしめ呟く。


「やだなぁ。千里ちゃんそんなキャラじゃないでしょ」


そう、私はそんなキャラじゃない。


だからここで実力行使はできない。


こんな時にまで自分で作り上げたキャラが足を引っ張る。
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