加納欄の催眠術 シリーズ8
加納欄の催眠術 シリーズ8
その日は、祥子先輩が、不機嫌だった。

「祥子先輩、コーヒー飲みます?」

「いらないわ」


(-.-)


「お菓子でも……」

「いらない」

そう言うと、祥子先輩は、席をたって、どこかへ行ってしまった。


(-.-;)


どうしたんだろ?


「ほっとけよ」

高遠先輩が、声をかけてきた。

「何かあったんですか?」

「……これだろ?」

そう言って、高遠先輩は、新聞を私に渡した。


”また被害!女子暴行事件!!犯人逮捕いまだならず!”


ここ多発している事件の見出しだった。

「これ、ですか」

被害届けを出した、女子高生によって、事件がわかったのである。

泣き寝入りをしている被害者が、いるはずだ。

しかも、やり口が汚く、催眠術を掛けられレイプされている。

祥子先輩は、この事件に怒っているのだ。

マスコミは、この事件をとりあげ、中には催眠術特集なるものも報道していた。

「私だって、頭にきてますよ、この事件。私達が捜査しちゃいけないんですか?」

「今の事件解決出来てねぇのに、管轄違う所の事件背負うなよ」

そうなのだ。

被害届けを出した子は、南署ではなく、違う署に被害届けを出したため、私達は情報を聞くことは出来ても、手を出すことはできなかった。

「催眠術って、そんなにすごいんですかねぇ」

あたしは、独り言のように言った。

「かかればな」

「そうですよね、かかればすごいですよね。犯人は、どうやって催眠術をやってるんですかね。5円玉常に持ってるんですかね」

「密かに隠しもってるんだろ?」

「襲うためにわざわざ5円玉取り出して、催眠術かけるのも大変ですよね。だいたい、不信がりますよね」

「そう見えないように近づいてたとしたら?」

大山先輩が、話しに入り込んできた。

「あ、おはようございます」

「今の女子高生は、興味があるものには、すぐ飛び付くだろ?言葉巧みに催眠術なんてかけられるんじゃないのか?」

「まぁ……。なんにせよ、早く犯人逮捕してもらいたいです」

課長が、戻ってきたため、話しをやめた。


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