プラム
キスをしながら、やっぱり彼がお父さんじゃ嫌だな、と思った。



矛盾してる。


だけど、彼とこうするのはとても好きだから。




シャワーを浴びて、またしても小林さんに手をひかれてベッドに倒れこんだ。


逃げないって言ってるのに。



でも小林さんがあまりにも真面目な顔をしているので何となく言い出せずに、無言のまま彼の愛撫を受けた。



その指も舌もとても優しくて、あたしはいつも混乱する。



あたしは彼の恋人なんじゃないかって思ってしまう。
それほど、彼のセックスは丁寧だった。



あたしが漏らしたかすかな声を封じ込めるように小林さんの唇が重なる。


片方の手は、指を絡めあったまま離してはくれない。
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