プラム
さっき買ったばかりのシャーベットの入ったコンビニ袋を手に、小走りで帰り着き、玄関を開ける。



鍵はかけていない。

それは決して無用心だからじゃなくて、1人で住んでるわけじゃないから。


「ただいまー」

返事はない。

だって、2人で住んでるわけでもないから。



鍵をかけないのはあたしの癖だった。
いつ大黒が帰ってきてもいいように、いつも鍵は開けてある。


ここは、大黒の部屋だ。




2ヶ月前、近くの通りであたしを拾って、ここに連れてきてくれたのが大黒。



「今日は来ないのかな」

なんて、1人暮らしだと独り言が多くなるというのはどうやら本当らしい。
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