プラム
とりあえずテレビをつけてオレンジシャーベットの蓋を開けると、それはもう溶けかけていた。



これだから夏は嫌だ。
仕方なくやわらかい表面だけすくって食べながらソファーに座った。


ぼんやりと見ていたテレビの画面はワイドショーなんかをうつしていて、特集で深夜徘徊の若者たちにインタビューしている。


バカバカしい。

何も深夜に歩き回る人なんて彼らだけではないのに、若いというだけで世間の興味を引く。

「何らかの危険に巻き込まれる恐れがありますねー。心配ですー。」

間延びしたコメンテーターの言葉。



本当にバカバカしい。
何の危険だよ。
そんなことを考えていたら昼間だって外を歩けないじゃない。






チャンネルを変えようとリモコンを探していたら、ケータイが鳴った。
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