プラム
大黒かとちょっとだけ期待したのに、表示された名前は全く別のものだった。


ちょっとだけ自己嫌悪。
彼がこんな昼間に電話なんてしてくるわけないのに。

自嘲気味に通話ボタンを押すと、それでも聞きなれた声がした。




「梨香ちゃん、今大丈夫?」

「うん。テレビ見てたトコ。」

「ホント?あのさぁ……」

相手のテンションが上がったのが手に取るようにわかる。





「今から会える?いつものトコで。ちょっと臨時収入があったんだ。」


あたしも合わせてテンションをあげた。

「やった!!小林さんとはこないだ会ったばっかりだから、今週はもう会えないかもって思ってたんだー!嬉しいな!」





これが仕事。


「僕も梨香ちゃんに会えるのが楽しみだよ。じゃ、また後で。」
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