魔神戦記!
 
『その通りだ』

不意に上空から声がした!

4人は一斉に、その声の主の方を見た。

見覚えのあるシルエット…

しかし、それとは似て非なる者がそこに居た。


「ウノサス…?
いや、凶…のようですね。
…そういうことでしたか」

ディノウンは瞬時に状況を把握した。

『我は凶魔神ガルウノサス。
…これは返してやる。
我には扱えないのでな』


ザクッ!


ガルウノサスが投げ付け、地に刺さったのは鬼霊槍…

「アガスト…
鬼も倒されたか!」

『見るがいい』

ガルウノサスの右手に握られていたのは、神々しく橙色に輝く野球のボール程の珠…

「ルシヴァナの神核!!
では…!?」

『奴の身体は樹海の奥で石化している。
見に行ってみるか?
我が再生せぬよう、粉々に粉砕しておいたがな!』


ヒュゥゥ…


一陣の風が吹き、やがてそれは嵐のように吹き荒れた!

それはディノウンとリ・シュウの凄まじいまでの怒りが呼び寄せたのだ。


「下がりなさい…
ラシス、ファルキュリア」

那由と蜂姫を追いやるようにして、ディノウンが大鎌を構える。


しかしリ・シュウは構えもせず、ガルウノサスに尋ねた。

「一つ聞く。
水晶の虎はどうした?」

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