魔神戦記!
 
リ・シュウは俺の懐に飛び込んでいた。

そして剣の束のような物を取り出し、その刀身があるべき部分を俺の腹に押し当てる!

「この剣は天の魔剣・破天虹、地の魔剣・砕鋼峰に次ぐ、第三の魔剣…
『縁想海(えんそうかい)』!
海の魔剣だ。
この剣に刀身は無い。
何故なら…」


ザズザズザアァッ!


潮騒のような音が束から鳴るのを聞くと、リ・シュウは束を引いた!

それに引き寄せられるように、俺の身体から魂が抜けるような感覚が走った…


気が付くと、俺はガルウノサスを目の前にして立っていた。

「こ、これは…!?
俺の身体は奴のままなのに…
元に戻った訳じゃ無いのか?」

「お前の身体以外の部分を、その縁想海で実体化させた。
本来は、こういう使い道では無いのだがな…
一か八か、お前が俺に預けていた縁想海を使ってみたが、思惑通りになってくれたようだ…

…悪いが、後は任せ…る。
少し…凶結界の中で…力を使い…過ぎ……」


地上に落ちて行くリ・シュウ。

「リ・シュウ!!」

俺は無意識にリ・シュウの落下先に飛んで回り込み、彼を受け止めた。

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