魔神戦記!
 
凶結界の中を、あの速度で動いたんだ。

消耗は激しかったのだろう…

「ラシス、リ・シュウを頼む。
俺は…奴を倒す!」


動けないリ・シュウをラシスに託すと、ラシスは複雑な眼差しで俺を見つめた。

「ウノサス…
どうするの?
ガルウノサスの身体は貴方の身体なのよ。
あの身体を破壊すれば、今の貴方…精神体が戻るべき身体が無くなるのよ」

「………何とかする!」


根拠は無い。

だが、リ・シュウが作ってくれたチャンスを逃す訳には行かない!

この仮の身体で、俺の身体を取り戻す!


「行くぞ、ガルウノサス!!」

とは言うものの…
ここは住宅街、その上さゆりの家の前だ。

ここでの戦闘はマズい…


(それを奴に気取られないように、奴より上に出る!)

しかし凶結界の中だ。

奴より速く動けるのか…?

「そんなコトは言っていられないか。
とにかく…飛ぶ!!」


ュッ!


「な…!?
どうなってる!?」

俺は、俺が思っていたよりも速く、遠くまで一瞬で舞い上がっていた…

ガルウノサスは遥か下だ。


「そうか…
この仮の身体は、言わば精神の結晶体。
身体の都合は関係ないということか…

!!
つまり凶結界は、精神まで影響を及ぼさないのか!
これなら行ける!!」

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