魔神戦記!
 
やがて縁想海によって、俺に取り憑いていた静尽が引き抜かれた!


俺の魂は身体と完全に一体化、遂に元の状態に戻った!


『バカなーっ!
オイラの術が破れるなんて!』

久々に聞く静尽の声…

とは言っても、前に聞いたのは俺が石化していた時だが。


しかし俺が思っていたよりも、静尽は冷静だった。

流石は伍凶将の一人、といったトコロか…

『おっと、忘れているようだから言っておくけどさ。
身体を取り戻したというコトは、凶結界の影響を受けるようになったんだよーだ。

オイラの立場が有利だという状況に、変わりは無いんだね!』

「…そう思うか?」


確かに奴の言う通り、身体に重りを付けられたように動きは鈍くなっていた。

だが身体を奪われた怒り…

友を傷つけられた怒り…

そして何より…

操られていたとは言え、友を傷つけてしまった情けない自分に対する怒り!!

それが力となって、全身にみなぎる!


『な、何だ!?』

どうにかして縁想海を切り離そうとしている静尽の身体から、水蒸気が立ち上り始めた…

< 109 / 232 >

この作品をシェア

pagetop