魔神戦記!
やがて縁想海によって、俺に取り憑いていた静尽が引き抜かれた!
俺の魂は身体と完全に一体化、遂に元の状態に戻った!
『バカなーっ!
オイラの術が破れるなんて!』
久々に聞く静尽の声…
とは言っても、前に聞いたのは俺が石化していた時だが。
しかし俺が思っていたよりも、静尽は冷静だった。
流石は伍凶将の一人、といったトコロか…
『おっと、忘れているようだから言っておくけどさ。
身体を取り戻したというコトは、凶結界の影響を受けるようになったんだよーだ。
オイラの立場が有利だという状況に、変わりは無いんだね!』
「…そう思うか?」
確かに奴の言う通り、身体に重りを付けられたように動きは鈍くなっていた。
だが身体を奪われた怒り…
友を傷つけられた怒り…
そして何より…
操られていたとは言え、友を傷つけてしまった情けない自分に対する怒り!!
それが力となって、全身にみなぎる!
『な、何だ!?』
どうにかして縁想海を切り離そうとしている静尽の身体から、水蒸気が立ち上り始めた…