魔神戦記!
 
「足元を雲で覆ったのは、お前の位置感覚を狂わせるためさ。
俺は雲の下のディノウンの誘導に従い、お前を海の上へと誘導したんだ。
お前は俺達の作戦にまんまと引っ掛かったというワケだ」

『く、不覚…
だが…だがな!
これで凶王が復活する!
我々の…ぉおおっ!』


シュワオオウゥッ!


威渦鎚は俺の身体と破天虹を通って海へと直行、そのまま海水の中へ散って行った…


「これで…
伍凶将は全て倒した。
だが…うっ!?」

俺は威渦鎚が散り行く様を雲の上から見下ろしながら、急に身体が妙な感覚に襲われるのを感じていた。

身体が軽くなったみたいだ。

「凶結界が消えた?
奴らには結界が不要になったというコトか。
しかしこの不気味な静けさ…」


クォオオオオオオ…


何だ?
何の音だ?

「上から!?」

「ウノサス、空を!」

雲の下からディノウンとリ・シュウが俺の元に飛んで来た。

「あれを見ろ!」


リ・シュウが指差す先。

そこにあるのは凶結界が張られた時に現れた、空に浮かぶ巨大な『凶』の字…

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