魔神戦記!
「ファビス………!」
その名を聞いた瞬間、脳の中に神界での記憶が鮮明に甦った!
………
記憶の中の俺は、どこかの城のような古風な建物の…
ここは謁見の間だろうか?
まるで中世の世界だ。
『ウノサス。
凶が凶王ファビスを復活させようとしているようだ』
俺は椅子に座る誰かにひざまづき、彼の話を聞いていた。
ただの人物では無さそうだ。
椅子の装飾から察するに、多分これは玉座だ。
となると、彼は…
神々の王か皇帝!?
『ファビスが覚醒すれば、恐らく解放界と封印界の均衡を破ろうとするだろう。
ま…そこで、だ。
お前には解放界に降りてもらいたい。
ファビスを復活させる鍵、ファビスの心臓は解放界にあるからな。
お前にはファビスの心臓を監視、及び心臓を奪いに来るであろう凶を迎撃する任務にあたって欲しい』
『は、では早速…』
俺は椅子に座る人物に深々と頭を下げ、踵を返して謁見の間を出ようとすると、
『待てよ、ウノサス。
もう一つ頼みがあるんだ。
お前は解放界に転生する時、一切の記憶を封じられる。
もちろん俺のコトも忘れる。
解放界で、お前は人間として生まれ、育つ。
その中で神の記憶が戻った時、神が人間を守護するべきか否か…
それを見極めて来い』