魔神戦記!
「さゆりさんに近付けるギリギリの距離から結界を張り、封印…するしかないでしょう…」
俺達は、さゆりを取るか万人の命を取るかの選択をしなければならないのか…
さゆり、お前は今…
どこに居るんだ…
「魔神の力を持ちながら、女の子一人見つけられないとは…
情けないぜ」
さゆりの脳波を感知しようとすれば、強力な思念波の干渉で妨害される。
探すとなれば、肉眼で探すしか無いのか。
「いつまでも考えていても始まらない。
行動あるのみ、だ。
行くぞ!」
俺は神化してウノサスの姿になると、倉庫の屋根を突き破ってグロテスクな模様の空へと踊り出た。
そして…
「縁想海!」
大海の魔剣・縁想海を取り出した。
縁想海は刀身を持たない代わりに、物の能力を吸収して自分のモノにする魔剣だ。
こんな風に!
「これを使えば!」
俺は自分の携帯電話を取り出して縁想海にコネクトした。
ザズザズザアァッ!
さざ波の押し寄せる音が響き、携帯電話は縁想海に吸収されて刀身となって、奇妙な魔剣が出来上がった。