魔神戦記!
 
これで準備は整った。

刀身に現れたボタンを押し、さゆりの携帯番号を呼び出してコールする。


プルルルル…


ファビスの心臓として覚醒してしまったのなら、さゆりは俺の呼び出しに応じないだろう。

だがコール音さえ鳴ってくれたのなら充分だ。

縁想海からさゆりの携帯へ向けて電波…というより、何だかよく分からない可視光線がジグザグに飛んで行ったのだ。

これでさゆりの居る位置が分かる。


「問題は、どうやってさゆりに近付くかだ。
捕まえようとして、蜂姫達のように動けなくなってしまったら元も子も無い。
なら少々荒っぽいが…」

さゆりの進路を遠くからアクセル・フィストか破天虹で塞ぐ作戦で行く。

それで何とかなれば…


俺はジグザグの光の先を辿りながら、さゆりの居る地点まで急行した。

「あそこか!

…何だ?
何か様子が変だ」

俺はさゆりを発見できたが、その周囲の異変に気付いた。


さゆりの歩いて来た経路…

草木は朽ちて、人や犬などの生物はミイラのように生気を吸い尽くされている!

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