魔神戦記!
………
空から捜索するメンバーは、俺が見たのと同じ光景を発見していた。
「これは…
ファビスの心臓の仕業か?」
枯れ果てた街並みを見て、リ・シュウは戦慄した。
生命という生命が根こそぎ吸い取られる様子が空から確認でき、その範囲がジワジワと広がってゆくのが目に見える。
それを見下ろしながら、ディノウンが言った。
「迂闊に近付けませんね…」
『そうさ。
魔神は不用意に近付き過ぎたから、ボクに滅ぼされたんだよ』
「!?」
俺が不意打ちを喰らった時と同じパターンだ。
ディノウン達の背後には、いつの間にかシントが居た!
『今回は妖神と獄神、それに妖精の女の子か。
ま、コチラとしては手間が省けるから良かったよ』
「奇遇だな。
こちらも手間が省ける。
貴様には色々と聞きたいことがあるんでな」
『………?』
今度はシントの背後にリ・シュウが回り込んでいた。
神速を誇るリ・シュウだからこそできる芸当だ。
『フフフ…
そう来なくちゃ。
なにしろ魔神はボクに触れることすらできずに砕け散っちゃったからね、つまらなかったよ』