魔神戦記!
「リ・シュウ!
これほどまでに呆気なく…」
ディノウンは、目の前で起こった戦いの結末を信じられない様子だ。
そして、次は…
ディノウンが急いで蜂姫の方を向く。
「ファルキュリア!
すぐに逃げなさい!!
俺と居れば確実に…」
『そう、確実に葬られる。
それは妖神ディノウン、君も例外では無いよ?
恋人の心配より、自分の心配をしたらどうなのさ』
そこに居たのは蜂姫ではなく、シント…
ディノウンは蛇に睨まれた蛙のように硬直した。
「………ファルキュリアは?
彼女をどうしたのです!?」
『どうしたか、か…
見届けてやりなよ。
恋人の最期ぐらいさ。
やっぱり女の子の方が綺麗にできるなぁ。
魔神の時は綺麗とは言い難かったからね。
アレ、何だか分かる?』
シントが指を差した先…
ディノウン達から数百メートル先の送電用の鉄塔の頂上に、氷の像にされた蜂姫が立たされていた!
『あのまま放っておいたらさ、確実に風で倒れて落ちるよ。
落ちたら魔神みたいにパリーン、さ』