魔神戦記!
ディノウンの最後の抵抗。
自分の身体…
つまり幹の成長を利用して、蜂姫を中に包み込む。
(これ…で………)
それだけやり遂げると、樹は成長するのをを止めた。
枯れた街の中にそびえる、一本の巨大な樹だけがそこに残った…
………
(空に行った連中が…)
ディノウン達の気配が消えたのを感じ、ルシヴァナが歩みを止める。
透徹もルシヴァナと並ぶように止まった。
「鬼神…
我々だけでやるぞ!」
「あぁ、これ以上仲間をやらせねェ!」
ラシスはルシヴァナの背に乗って一緒に居たが、ルシヴァナの力でテレパシーを遮断されていた。
よって空の仲間がどうなったのか、まだ気付いていない。
「ルシヴァナ。
念波の妨害がひどくて、ディノウン達の位置が掴めないわ」
「…ラシス、悪い。
ちょっと降りてくれ」
ルシヴァナはラシスの質問に答えず、その代わりに背から降りるようラシスを促した。
「??」
何の疑いも無く、ルシヴァナの背から降りるラシス。
「お前に何かあったらウノサスに合わせる顔が無ェからな。
…すまねェ!」