魔神戦記!
視界を塞ぐほどの豪雨も、俺の身体には全く当たらない。
身体に当たる前に熱で蒸発しているのだ!
痛みと熱………
その苦しみに抗うように、俺は目をカッと見開いた!
俺の瞳は既に人間の瞳では無かった。
緑色の瞳。
瞳孔は縦に細長くなり、まるで爬虫類。
この時はまだ、俺は自分の目の変化に気付けなかった。
目を見る手段が無かったから。
だが自分の身体が人の形では無くなり始めているのは分かった。
両手を見る。
指先は尖り、手の平には柔らかさが全く感じられず犀(さい)の皮膚のようだ。
肘も鋭く突起し、戦うための身体に変貌していた。
足は………
もう原形を留めていない。
足首から先はほとんど鳥のようで、膝も肘のように鋭く尖っていた。
背中の肩甲骨の辺りが膨張。
雷光が地に焼き付けたシルエットは、それが何なのかを俺に教えてくれた。
(背中に翼が生えている!)
鷲や鷹のような勇壮な翼では無い。
まるで破れた傘のような…
悪魔のような翼だ!