魔神戦記!
『何だって!?』
シントはルシヴァナの掌を離そうとするが、ガッチリ組み付いて離れない。
(…くそ、さっき獄神を倒した時の衝撃が仇になったか!
地盤が脆くなっている…
このままでは鬼神の言う通り、奈落どころかマグマの中に落ちる!)
ゴゴゴゴゴ…
槍は地にめり込み、既に地割れを起こす程の重さになっていた。
もう周囲の地盤がマグマの中に落ちるのも近い。
もがくシントにルシヴァナは言い放った。
「往生際が悪いぜ!
もう脱出不可能だ!」
『どうかな?
君の腕を引きちぎって脱出すれば…』
「テメェの相手は俺だけじゃ無ェってコト、忘れてねェか?
透徹!!」
『何っ!?』
組み付く二人の頭上では、飛び上がった透徹が剣先を真下に向けていた。
(すまない、鬼神…!!)
(…気にするな)
透徹が落下してくるのを見計らって、ルシヴァナは身体を後ろに反らせる。
ジュブスッ!!
『ぐ…ぅお…!』
「っ!」
透徹の純幽晶は、シントとルシヴァナを貫通した…!