魔神戦記!
切札
『神帝………!!!』
ファビスの心臓によって廃墟と化した街に、突如として現れた光り輝く姿。
その名の通り、神々の頂点に君臨する存在・神帝…
まさか神帝自らが戦いに介入して来ようとは、誰が予想しただろうか?
「さっきの威勢はどうした?
掛かって来いよ、ボウズ」
神帝はシントに対し、人差し指をチョイチョイと動かして挑発した。
『………僕の強さを見てなかったのかな?
魔神、妖神、鬼神、獄神…
その他約2名のザコを、僕一人でブチ殺したんだよ?
いかに神帝と言えど、僕の…』
「戯れ事をホザいてるヒマがあったらサッサと掛かってこいよ、下郎」
自慢話を中断させられて頭に来たのか、
『なめるなぁっ!』
ドバシュウウウッ!!
ラシスを捕縛した触手攻撃を繰り出すシント。
さながら氾濫した河川の濁流の如く、凄まじい勢いだ!
たちまち神帝は触手の流れに飲み込まれ…
『………居ない!?』
シントは手応えが無いことに気付き、触手を引き戻すと辺りを見回した。
「気付かんのか?
ここだよ、俺は」