魔神戦記!
 
『なっ!?
バ、バカな!!
いつの間に!?』

神帝は腕を組みながら、シントの頭上で爪先立ちしていた。

「お前の攻撃など、ノロ過ぎてかったるいぜ。
それとな、言い忘れたが俺は体重を自由に変えられる。
今は羽毛より軽いが、瞬時に山より重くすることもできる。

山の重さを体験してみるか?」


ギギギギギ…


シントの首が軋む音。

『ぐぅ…!
調子に乗るな!!』

「調子になど乗っていない。
俺が乗っているのは下郎の頭だからな」


…流石は神帝だ。

口の達者ぶりでもシントを手玉に取っている。

『なら、これでどうだ!』

今度は身体を黒い液体に変化させ、シントが神帝を包み込む。

『水圧で潰してやる!』

「おう、頑張れよ。
火傷しない程度にな」

『ヤケドだと…?』


ジュウウゥ…


神帝らを中心に、辺り一帯が焦げ臭くなってきた。

「また言い忘れたが…
俺は体温を自在に変えられる。
太陽よりも熱く、絶対零度よりも冷たく…な。

さ、どうする?
このまま蒸発するか?」


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