魔神戦記!
空からさゆりの軌跡を辿ると、俺がシントに敗れた時からかなりの距離を移動していたのが分かる。
様々なエネルギーを吸収する度に、移動スピードが増していたようだ。
微かに感じるラシスの気配を手繰るように、俺は低空飛行を続けた。
(ウノ…サ…ス…)
!!
消え入りそうなラシスの声が聞こえた!
「あれか!!」
地に倒れ、衰弱しきったラシスを見つけた!
恐らくさゆりの活動を押さえ込むのに、力を使い果たしてしまったのだろう…
あのままではマズい!
俺は地上に降り立ち、ラシスに駆け寄ると即座に抱き起こした。
「ラシス、しっかりしろ!」
「ごめ…なさぃ…
さゆ…さ…を…
止めら…な…か………」
駄目だ。
ラシスの命の灯は、今にも消えようとしている…
俺の…
爆魔神天ヴィロ・ウノサスの力は、破壊する力しか無いのか!?
目の前で死にかけている、たった一人の女の子を救うこともできないのか!?
「ラシス、死ぬな!!
いや…
絶対に死なせない!!」
俺は無我夢中でラシスを抱きしめていた。