魔神戦記!
さゆりは元々人間では無く、ファビスを抑えるための鍵だったのか…
「そして、いずれ心臓を取り返しに来るであろう凶の一族…
すなわち凶王の身体の分裂体から心臓を守るために、ウノサスが解放界へと派遣されたのじゃ」
「そうだったのか。
俺達はよォ、ただウノサスの手助けに行けって言われて来ただけだから、明確な理由は知らなかったのさ。
しかしよ、ジジイ。
ウノサスが解放界に派遣されたのは何でだよ?
ファビスの心臓が、白月さゆりという人間として解放界で暮らしていた理由は?」
ルシヴァナの問い掛け。
再び白楼斎は語り出した。
「ファビスの心臓を回収し、解放界に保管しようと提案したのがウノサスだからじゃ。
そのさゆりという娘、ラシスの面影は無かったか?」
「え…?
わ、私…?」
突然自分の名前が話に出て来て、ラシスは困惑していた。
言われるまで気付かなかったが、確かに2人は似ているフシがある。
もちろん性格や髪型など、後天的な事柄は全く違うが…
何か雰囲気とか目の輝きとか、共通点はある。
「ウノサスが解放界へ降臨する時、神であった記憶は封じられる。
ウノサスは記憶が無くなっても必ず見つけ出せるようにと、ファビスの心臓を最も大切な女性であるラシスに似せた姿にしたのじゃ」