魔神戦記!
ファビスの心臓をラシスに似た姿にして、いつも俺が側に居るようにする。
それは心臓を守るためだけでなく、ラシスを忘れないようにすることにもつながる…ワケか。
いかにも俺が考え出しそうなアイデアだ。
「心臓も生きておるからの、解放界に置いておくのなら生命体として存在させねばならん。
ウノサスの提案は採用され、そして予想通りに凶は動き出した。
あの天空に浮かぶ不気味な城は、ファビスの復活準備が完了した証であり…
心臓を取り返したことによって、間もなく封印界が完全にファビスとして覚醒することになる」
「師父、それでは…」
「確実に解放界はファビスに取り込まれるじゃろ。
実体の無いファビスが最後に望むのは、身体を形成するための『存在』する力。
解放界を取り込むことは、ファビスが封印界と解放界を融合させて自分の身体とすることを意味するのじゃ」
凶との戦いの初期、奴らが『存在する力』を喰っていたのは…
ファビスの分身たる凶が、本体の最終的な目的を受け継ぐ意思の片鱗だった、ということか。
そしてファビスは復活する!
もう俺達は、どうすることもできないのか?