魔神戦記!
 
「ほぉお。
今の話、聞こえたぜぇ。
身体が動かないぃ?
じゃあ今なら俺様でも…
魔神を殺せるかもなぁっ!!」


凶が俺に歩み寄る。

こいつ………
態度がコロコロ変わるな。

だが身体が動かない今の俺には、逃げも隠れも……?


………逃げる?
隠れる?

………何で?


何故こんな奴に、俺が恐怖する必要がある?


さっきまでこいつは俺のことを恐れていた。

ならば、俺はこのバケモノ野郎よりも強いハズだ!!


「なら………
怖がる必要など微塵も無いじゃないかぁぁぁぁっ!!!」


クォォォォオオオッ!!


俺を中心に風が渦を巻く!

それに呼応かのするように、翼がバッと広がった。

俺の身の丈の3倍はある!!


「な!」

突然視界を覆った翼に凶が怯んだ瞬間、目にも止まらないスピードで……

いや。
正確には人間の目には、だ。

しかし凶の目も追いつけなかったようだ、その速さには。

俺の翼は鋭い刃となって、凶の身体をメッタ刺しにした!


ジュザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクッ!!


突き刺さる速さに音が間に合っていない。

そして、一瞬でボロボロになった凶の身体にもう突く場所が無くなった時………


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