魔神戦記!
フッ
…?
(この香り…)
遠くから流れてくる微かな香りに、俺の嗅覚が反応した。
ついさっき、ラシスから感じた香りだ…
!!
もしかして…!
ファビスの心臓には、さゆりとして生きてきた記憶や香りが染み付いているのか?
…となれば!
「超・魔狼転化!!」
ゥヲオオオオウゥン!
「ウノサス!?
どうしたってんだ?」
「待ってろ」
魔狼形態に変化した俺は、さゆりの香りが流れてくる方向を鼻で辿った。
やはり…
「こっちか!
この方角から!」
思った通り、魔狼形態は嗅覚が鋭くなる。
超神化した俺が転化した魔狼なのだから、通常の魔狼形態よりも様々なポテンシャルが上がっているのだ。
微かな匂い…
例えそれが記憶という不確定な匂いであっても、超魔狼の嗅覚からは逃げられない。
俺はガムシャラに走った。
(近い…)
どれだけ走っただろうか…
香りの強さから、かなり核の近くまで来ていることを感じた。
(どこだ…
ファビスの心臓は…?)