魔神戦記!
崩界
「賭けでもハケでもいい。
それで勝算はあるのか?」
ルシヴァナは黒くなった手を振りながら俺に言った。
俺もそうだが、感覚が鈍くなってきている。
やはり、あまりグズグズしている時間は無さそうだ。
「勝算は…ある。
だが確率は低い…
うまく行くかどうかは、やってみなければ分からない」
俺は、皆に俺の推論と作戦を説明した。
「実行する価値はある」
「それしか無さそうですね」
「よっしゃ!
気合い入れて行くぜ!」
「頼むぞ、みんな」
『そろそろ俺から仕掛けさせてもらうとするか』
粒子レベルの分解から完全に再生したゼストは、首をコキコキと左右に曲げながら言った。
『…喰ってやるよ。
深淵に沈め、若き神々ども!』
タッ!
ゼストの踏み込みスピードは尋常では無い!
ブオンブオンブオンッ!
そのうえ曲刀を恐ろしい速さで縦横無尽に振り回し、俺は斬撃の軌道を見切るのが精一杯だ…
『ハハハハハ!
まだまだまだまだァッ!!』
斬撃の速さが徐々に上がって来た!