魔神戦記!
ある夜、ディノウンは
「ウノサス、俺は一度『神界』に帰ります」
と、俺に告げた。
神界。
初めて聞く、3つ目の世界だ。
だが考えてみれば、神界があるのも当然と言えば当然か。
解放界にも封印界にも、神が住んでいるという話は無かったからな。
「どうして今、帰るんだ?
凶の活動が激化しているのに…
俺だけでは、凶の活動を抑え切れないぜ」
俺は神の力を手に入れたが、今の状況を乗り切る自信は無い。
ディノウンは答える。
「俺が解放界に来た目的は、君を魔神として覚醒させることでした。
ですから一応の目的は果たした訳です。
しかし予想以上に、解放界への凶の侵攻は激しい…
いずれ君と俺とでも防ぎ切れなくなるでしょう。
そうなる前に、俺は神界に戻って対策を他の神と検討して来ます。
代わりと言ってはナンですが、『助っ人』を派遣しますので」
「助っ人…?」
その時だ!
いきなり空に現れた。
バカでかい『凶』の文字が!!
「あれは何だ!?」
「凶結界の印!!
これは急がなければ!
ウノサス、頼みます!」
ディノウンがマントを翻すと、その姿は夜の闇の中へと消えて行った。
急に孤独感が俺を襲う。
「独り、か………」