魔神戦記!
「俺達だけじゃ無い。
さゆりも戦っていたんだな」
俺は光る珠を拾い上げた。
俺の掌を伝わって、俺の心にさゆりの暖かさが流れ込んで来た…
しばらく目を閉じて、その心の温度を感じていたが、
「ウノサス。
さゆりさんの残してくれた心、私が受け継ぎたい…」
ラシスの言葉で俺は目を開き、迷わず光の珠を差し出した。
「俺も、さゆりも…
そうして欲しいと思った」
「ありがとう。
見ていて、ウノサス」
ラシスは珠を大切そうに両手で受け取ると、自分の胸に宛てて目をつむった。
スゥ…
光の珠は吸い込まれるように、ラシスの中へと入って行く。
「あ…っ…」
ラシスは一瞬、恍惚した表情でピクっと身体を震わせたが、すぐに平静を取り戻すと息を大きく吐きながら目を開いた。
幼い感じだったラシスの面影が、少しだけ成長した感じに変わっていた。
「これで…
この戦いに関わる事柄は、全て片付いたな」
そこへ見計らったように、白楼斎がヴィマナディアを操舵しながら飛来した。
「終わったか。
さてと…
ワシは神界に帰るがのぅ。
お前達は?
これからどうするんじゃ?」
「俺達は…」
………