魔神戦記!
「ちょっと、狼牙?
誰よ?
そのカ・ワ・イ・イ・子」
…魔神となった俺に恐怖に恐怖を感じさせるという意味で、さゆりは凶よりも凄いと思う。
「い、いや………
知らない子だ。
…君は誰だ?」
銀髪の女生徒は、小悪魔的な微笑みで答えた。
「妖精よ!」
「「はぁ??」」
さゆりと俺は同時に言って、顔を見合わせた。
「アッハハ!
ごめ〜ん!
狼牙、後で会いましょ!」
女生徒は軽くウインクし、俺達の前から走り去った。
「………誰?」
さゆりは呆気にとられた顔で、走り去る女生徒の背を指差す。
俺も
(今のは何だったんだ?)
と思いつつ、その子の背中を見送る。
(…?)
錯覚だろうか?
女生徒の背中に、何か妙なモノが見えた気がした。
例えるならオブラートでできた、蜂の羽根のようなモノだ。
(まさか………
あの子、本当に妖精!?
いや、神が居るんだから妖精が居ても…)
カサッ
何気なく学ランのポケットに手を入れると、そこにメモが入っているのに気付いた。