魔神戦記!
………蜂姫は『助っ人』では無かった。
じゃあ他の誰かが解放界に来ているのか…
まだ俺の前には姿を現していない……よな?
「…!!」
ガタッ!
俺は反射的に席を立った。
凶が出現した感覚だ!
今までの俺なら、地上のあらゆる場所に出現した凶を捕捉できた…が、
(凶結界の影響か……!)
俺が感じた場所は、ここからかなり近い!
しかも今まで戦った凶達よりも強い力を感じる!
こんなに近く、しかも強力な凶を察知できなかったなんて…
(蜂姫!!)
(分かってる。
先に行ってて、狼牙!)
俺は頷き、屋上に急いだた…
抜けるような爽やかな青空。
雲一つ無い。
邪魔な凶の字が一つ。
あれが意味するのは…
俺が今、奴らの領域に居るってコトだ。
「神化っ………!!!」
白銀狼牙という男が世界から消え、代わりに魔神ウノサスという銀色の異形神が降臨する!
初めて神化した時は天候を荒れさせる程のパワーを解放してしまったが、今ではパワーをセーブして神化することができるようになった。
「さて………」
魔神になったのは良いが…
「やはり結界がネックか。
くそ、身体が重い……」
俺は(人間として)生まれてこのかた病気をしたことが無いが、身体がだるい状態というのは『こういう気分』なんだろうなと感じた。