魔神戦記!
「飛べる……かな?」
翼を広げてみても、やはり今までのように大きく開くことはできない。
そのまま屋上フェンスの上に飛び乗った。
「行ってみるか」
俺は屋上から真っ逆さまに飛び降りる!
そして地面に激突する寸前に上体を起こして上昇、空へ飛翔した。
やはり飛行スピードが遅い。
前は人間の肉眼では捉えられない速度で飛べたのだが………
「こんなスピードじゃ、
誰かに見つかってしまうぜ」
俺に『姿を消す能力』があるのはディノウンから聞いて知っているが、まだ俺はそれを引き出せていない。
能力の引き出し方は、他者に教えてもらうモノでは無い。
自分で引き出し方を見つける…
いや、思い出すしか無いのだ。
「この辺りのハズだ」
凶の気配を感じた、街から遠く離れた所まで来た。
「む…?
う、ぉ…!!」
突然、強力な『気の波』が押し寄せてきた!
「ま、魔神の俺が気圧されているだと!?」
「待っていたぞ!
魔神ウノサス!!」
俺の前に姿を現した凶!
こいつは………強い!
「我は凶の主直属の『伍凶将』が一人、壱の凶・岩砕(がんさい)。
無双剛力の持ち主よ!」
なるほど。
その名の通り、奴の身体は岩のようだ。
だったら岩砕…
岩を砕くって名前は変だと思うが。