魔神戦記!
 
なりふり構っていられない。
長引けば不利になる。

問答無用、先手必勝だ!

「消えろ!!」

俺は岩砕に向けて右腕を発射した!


ギュゥオォォオオッ!!


轟音と共に発射される飛拳…
名付けて『アクセル・フィスト』!!


だが…

「何っ!?」


ズゥオォォオオオッ!!


俺と同時に岩砕の奴も右腕を発射していた!!


ドグオッ!!


互いに相手の飛拳を食らったが、凶結界の中での俺と凶との戦闘力の差が出た。

「フン…」

俺の拳を食らっても、岩砕は痛くも痒くも無い様子。

対して俺は、


グガアァァァァンッ!!


痛烈な一撃を受け、鈍い打撃音を響かせながら吹っ飛ばされていた。

「ぐは…がっ!
く…そ………」

俺が膝を着いて立ち上がろうとした時。


「…待ちな、ウノサス」


…!?
突然の背後からの声に振り返ると、そこには…

「う、馬…?」

一頭の鋼鉄の馬が立っていた………


「バカ言うな!
馬が喋る訳ゃ無ぇだろが!
もっと上まで見ろ!」

言われた通りに視線を上げてみると………


(!!!)


鋼鉄の馬の、本来なら首が生えているところからは、人の上半身の身体が!

いわゆる半人半馬だ!!


ボディービルダーのように均整のとれた筋肉。

髪は燃えるように赤く、
額から生えた巨大な角からは、気高さと誇りを感じる。

そいつは力強く、大声で名乗りを上げた!


「鬼神ルシヴァナ、見参!!」


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