魔神戦記!
 
そして………

「受け取れ、ウノサス!
トドメはテメェに任せるぜ!」

ルシヴァナは、俺に向けて何かを投げた。


パシ


受け取ったのは良いが…

「これは何だ?」


長さは30センチ程の、『剣の束(つか)』のような物だが………
肝心の刃が無い。

いや、あると言えばある。
束の長さに添わない長さの刃。
ペーパーナイフか?

「ディノウンから聞いてたけどよ……
ホントに何もかも忘れちまってンだな。
そいつはなァ、テメェの得物だよッ!」


俺の武器だというのか?
このペーパーナイフが?

「これって…」

「!!?
ちょっ、バ、バカ!!
それを私に向けないでよ!」

この武器について蜂姫に聞こうとしたら、やたら慌てふためいて顔を背けた。


じゃあルシヴァナに聞こ…

「お、おいッ!
テメェ!!
それを俺に向けたらなァ、いくらテメェでもブッ飛ばすからなッ!!」

二人とも、こんなペーパーナイフ程度に何をビビってるんだ?

「それは『剣』なんだよっ!
『天を破る虹』の名を持つ、天空の魔剣『破天虹(はてんこう)』だ!!」


…とてもじゃ無いが、このペーパーナイフが『天を破る』とは思えない。

ましてや『虹』??

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