魔神戦記!
 
「束を握って『神気(しんき)』を込める。
使い方はそれだけだ!
こんな風になッ!」

ルシヴァナは小さな種を取り出して握り締めると、

「荒ぶれ、鬼霊槍(きれいそう)アガスト!!」


ギャウイィィィンッ!


種が一気に成長して大木になったと思ったら、シュッと細くなって一本の槍になった!

そのデザインはアジアンチックな感じで、槍なのだが刃は斧のようでもある。


ディノウンの武器が『大鎌』、ルシヴァナの武器が『斧槍』か……

槍をドンっと地面に突き刺し、ルシヴァナが俺に言う。

「使い方は分かったか?」

………さっぱり分からん。


「うぬら…
忌まわしい神ども…
我を甘く見るなぁっ!」

岩砕がヨタヨタと立ち上がり、呪文のような言葉を唱えた。

「我が主よ!
ワレニチカラヲ…
アタエタマエェェェ!!」


…ズゴゴゴゴゴゴゴ!


地鳴りだ!
轟音と共に、岩砕の身体に砂や石が寄せ集まる…


「凶大化よ!」

蜂姫が叫んだ。

キョウダイカ………
要するにパワーアップか!?

寄せ集めた砂や石を取り込んで、みるみる岩砕が巨大な姿になってゆく!


「ウノサス!
破天虹を使え!!
束を握って、空に向けろ!!」

ルシヴァナの叫びに、

「こうか!?」

俺は破天虹を天にかざした。

「集中して心に描け!
『雲、空、星の向こう』を!!」


雲…
空……
星………!

!!
分かった!!


「天高く伸びろ!!
俺の破天虹よ!!!」

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