魔神戦記!
 
「ねぇ、狼牙!
この先にケーキ屋が出来たの!
ねぇねぇ、おごっておごってぇえんっ!」

転んだことなど気にもせず、乳を揺らしながらブリブリ甘えてくる蜂姫。

もう一度、言わせてくれ。
この娘、本当に妖精なのか!?


「ちょっと蜂姫ちゃん!!」

「アハハ、ごめーん!
狼牙はぁ、さゆりちゃんのモノだもんねー?」

「ななななな何言ってるの?
蜂姫ちゃんったら!」

「あ、さゆりちゅわぁん?
どー・よー・し・て・る!」


…女の話には着いて行けない。

「ドウジ、行こ」

「あぁ、そうだな」


夕焼け空だ………

そういえば俺が初めて魔神に神化したのも、こんな夕日の中だったな…


夕日………
………
……


っ……………!!

『それ』は突如として、頭の中で始まった。


夕日をバックに今、対決せんとする二人。

一人は俺、魔神ウノサスだ。

もう一人の男、水晶のような体の剣士が俺に向かって言う。

『ウノサス!
魔神の座を賭けての戦い、今日こそ決着をつける!』

『ゴタクはいい。
かかって来な、透徹!』


カキン!
カキィン!!


激しく叩き合う剣と剣!

『その腕、もらった!!』

俺の腕を狙って振り下ろされる、透徹という男の鋭い剣!


バシュウゥッ!!


俺は咄嗟に腕を飛ばす!

『ぬおっ!?』

狙いが外れてバランスを崩した透徹の一瞬の隙を突いて、俺は剣を振り上げた!


ガシュッ!


『うぉ…お…!』

顔に斬撃を受けて怯む透徹。

俺は間髪入れず、剣先を透徹の喉元に突き付けた!
………勝負は一瞬だった。

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