魔神戦記!
「千里神眼?」
「ああ、一種の予知能力だ。
神は身に危険を感じた時、回避しようとする力が本能的に発動する。
これから起こる災いを察知して回避に応用できそうな事柄や、過去の経験の映像が頭に描かれるんだ」
つまり、近いうちに透徹と遭遇する可能性があるのか…
「待て、ドウジ。
奴は凶じゃ無いんだろ?
だったら協力してもらう手は無いかな?」
ドウジは『無理無理』と、手をヒラヒラさせた。
「バカ言え。
プライドの塊みたいな透徹が協力なんてする訳ゃ無ェだろ?
ましてやテメエを目のカタキにしてるんだぜ?」
う…
それもそうか。
「ねぇねぇ。
さっきからさぁ…
カワイコ二人を放っておいて、何の話をしてるのかにゃン?」
蜂姫の妙なテンションにドウジは舌打ちした。
「うぜェな、ハチ公。
オメエは、さゆりとケーキだかテーキだかでも食べてきな!」
「定期なんて食べないわよっ!
この鬼コロ!」
「ンだと、この乳姫!」
「フぅんだ、このバカ鬼!」
さゆりが俺に尋ねる。
「…ねぇ、狼牙。
何で蜂姫ちゃんって、いつもドウジ君のことを『鬼』って呼ぶの?」
もっともな質問だ。
だから俺も素直に答えた。
「鬼っぽいからだろ」