魔神戦記!
……………次の日の夜。
雲一つ無い満天の星空。
そして満月!!
あのキレイな満月が、まさか戦いの狼煙になるとは。
頬を撫でてゆく一陣の風の冷ややかな心地良さの中、俺は街で一番高いビルの屋上に居た。
『銀の魔狼』と呼ばれた魔神ウノサスの姿で。
既に神気を飛ばして俺の居場所は知らせた。
後は『その時』を待つ。
やがて月光を弾きながら、天翔ける水晶の虎が降り立つ。
虎は剣士に姿を変え、俺の前に降り立った。
「久しぶりだな。
『銀の魔狼』、魔神ウノサス!
…かつての『友』よ!」
…やはり、そうだったか。
記憶を見た時に思った。
決着の後、トドメを『刺さなかった』のでは無い。
『刺せなかった』んだ、俺は。
結果、透徹のプライドに傷を付けてしまったのだ。
そして、顔にも…
今、理解した。
この戦いは『必然』だ!
避けられない。
「男の戦いに言葉は不要だな…
行くぞ、魔神ウノサス!!」
「…あぁ、必然ならばな。
来い、透徹!!」