魔神戦記!
月下
ヒュゥゥ………
人の居ないビルの屋上で、一陣の風が駆け抜ける。
そこに居るのは『神』と、神に成り損ねた『剣士』…
いつの間にか月は、薄い雲に隠されていた。
そして雲間から一筋の光が俺達を照らした瞬間、
カッ!!
同時に目を見開き、引き寄せられるように相手に猛ダッシュした!
さしずめそれは、『銀』と『水晶』の弾丸!
「「ぅおぉぉぉおおっ!!」」
剣を抜いているヒマは無い。
ならば!
ドガアァッ!!
俺は奴の頬に拳をブチ込む!
が…
ブゴォオオ!!
同時に俺も、カウンター気味の拳を腹に一発食らっていた…
「ぐっ、ぉ…っ!」
互いが衝撃で後ろに吹っ飛ばされた。
ズザザザアァァ…
俺は立て膝の状態で、コンクリートの床をガリガリ削りながら十数メートルほど滑った。
素早く体制を立て直し、
「伸びろ破天虹ぉおっ!!」
ピキュイキュイイィィン!!
「何っ!?」
破天虹の行く先………
俺と向き合う透徹は、俺のポーズを映す鏡のように反撃を開始していた!
「行け、純幽晶
(じゅんゆうしょう)!!」
ジャキジャキュイィン!!
迅速に背中の豪剣を抜き、ムチのようにしならせて振り下ろす!
純幽晶の刃は、ジャバラのように幾つにも分断されて破天虹と同等のスピードでこちらに伸びて来た!!