魔神戦記!
俺は腕を引き戻し、再び両手で破天虹を構えた。
透徹は、さっきとは別のビルの屋上に着地、剣を元の形に戻して肩にかついで見せる。
挑発的な態度で、余裕を見せているのか?
「ハァ、ハァ…」
くそ、これ以上……
長引かせるのはマズいな。
凶結界の影響で体力の消耗が早い。
「何とかしなけりゃ…」
奴は?
透徹は凶結界の中でも平気なのか?
「…フ、
私の身体に凶結界の影響が無いか考えているな?」
不敵に笑う透徹。
悔しいが図星だよ。
影響が無いのなら、俺の方が不利なのか…
「う…ぐ…」
突然、透徹は膝を地に着いた。
影響が無い訳ではないらしい。
「なら勝機は…」
!!
これは…
凶の気配…か?
くそ、こんな時に……
ブオオォォオオ!
弱った俺達の間に、突如として燃え盛る巨大な火球が割り込んで来た。
コイツの感じ……
前に戦った岩砕と同じ伍凶将の一人か!?
「やぁ、お二人サン。
楽しそうなパーティーに僕も混ぜてくれないカナ?」
火球は変な語尾で話し掛けてきた。
「お察しの通リ僕は伍凶将…
『弐の凶・舞炎(ぶえん)』。
水晶の虎クン、凶の主からプレゼント・フォー・ユー」