魔神戦記!
 
そんな俺の胸の内を知ってか知らずか、さゆりは周りの目など全く気にしない様子だ。


…と、不意にさゆりが話しかけてきた。

「狼牙、今日は誕生日だね」

「ん?
あぁ、そうだな…って、俺が誕生日ってことは、お前も誕生日じゃないか」


…そう、実は俺の正確な誕生日は分からない。

さゆりのお父さんが、さゆりの誕生日を俺の誕生日と同じとして、一緒に祝うことにしてくれたのだ。


「そうよ、だから今日は晩御飯、楽しみね。
お母さんはいつも、食べ切れないくらいの料理を豪勢に作ってくれるから」

「ふふ、そうだな。
でも2年前の餃子30人前は、もう勘弁して欲しいぜ。
口臭消すの大変だったからな」


あの時のツラサと言ったら無かったぜ。

次の日、口臭が消えてなかったら、学校を休もうかと思ったぐらいだ。



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