魔神戦記!
 
雲間から現れた白い満月の中に浮かぶ、漆黒のシルエット……
展開させたマントは、カラスアゲハの羽根のようだ。

それは大鎌を携えた騎士!
妖神ディノウン!!


「ウノサス、これを!」

ディノウンが俺に向けて何かを投げた。


パシッ


ん?
前にも同じようなパターンがあったな…
ルシヴァナから破天虹を渡された時だ。

じゃあこれも『魔剣』!?

事実、俺に投げ渡されたのは剣の束のようなモノだった。


「それは君の『大地の魔剣』。
『鋼の峰をも砕く』意味を持つ、その剣の名は
『砕鋼峰(さいこうほう)』!

破天虹は、どこまでも伸びる剣。
砕鋼峰は、どこまでも切れ味を増す剣!
つまり理屈上、斬れないモノが無い剣なのです!」

俺は束に神気を込めた。

「砕鋼峰!!」


ギュリイイイイィィィィンッ!


何十台ものチェーンソーを一斉に動かすような大音響!!
破天虹のように果てしなく伸びはしないが、それでも刃渡りだけで2メートルはある。

刃の幅は60cm程か。
束のすぐ上は斧のようになっており、刃の先端は…
何と表現したら良いのか。

形が近いものと言えば…
そう、『缶切り』だ!


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