魔神戦記!
俺は飛ばした腕を引き戻した。
「とりあえず仕切直しだ!」
透徹は、顔面を手で押さえながら言った。
『魔神よ、私を斬れ!』
!!?
これは…
肉声で言った言葉では無い!
透徹の誇り高い魂の声…
まだ完全に乗っ取られた訳では無かったのだ!
『私の身体は凶の手先となってしまった。
貴様との勝負に勝ちたいが為に、私は己の欲に負けたのだ…
私は今から、最後の力で身体を封じる。
呪われた身体から魂を…
この魂を解放してくれ!!』
「…グ、グ、ゥ…」
透徹の様子がおかしい。
動きが鈍く、苦しそうだ。
今、斬れ…
というのか?
俺は…………………
透徹を救いたい!!
また勝負を挑まれたら、また受けて立てばいい!
今コイツを斬れば、俺は…
俺は『ライバル』を…
掛け替え無い『友』を…
「絶対に…
失う訳には行かない!!
俺の願いに応えろ!
そして…
『敵』をブッた斬れっ!!
砕ぃっ!
鋼ぉっ!
峰おおおおおおおっ!!!」