魔神戦記!
俺達と一緒に居られない…
透徹の誇り高い性格なら、そう言うと思った。
「透徹、神界に帰るんだ。
お前は神界で俺達の戦いの行く末を見守ってくれ」
「しかし…
私は神に盾突いた身だ。
神界に帰っても、同族にあわせる顔が無い」
「そうだよ、お前は神界に帰る必要は無ぇ。
俺の代わりにコイツらを頼む」
ルシヴァナ…?
何を言い出すんだ?
「まさか鬼神、お前は伍凶将の秘密を…」
透徹の問い掛けに、ルシヴァナは重い口調で答えた。
「あぁ、気付いたぜ…
伍凶将と凶結界の関係にな。
凶結界を何とかしなけりゃ、次の戦いは負けるぜ。
それを防ぐために、もう一つの結界を内側に張って凶結界の影響を半減させる。
そのために俺が、結界の軸になってやるよ」
結界の軸とは、結界を保つための核のことだ。
強力な結界を張るためには軸の存在は欠かせない。
だが軸として結界を支える者は、一切無防備となる…
そんな状態で凶に襲われたら、いくらルシヴァナでも…
「なら提案します。
ルシヴァナが結界の軸になっている間、透徹はルシヴァナを護衛する…
というのはどうでしょうか?」