魔神戦記!
 
「ああ、あれね。
狼牙が餃子を山ほど食べたいって言うからよ」

「でも限度ってモンがあるだろ?」


他愛もない会話。

いつもと変わらない夕焼けが照る帰り道。

俺が日常の平和を感じる時だ。


ヒュ………


「ん?」

近くで口笛が聞こえた気が。
…きっと空耳だろう。


ヒュ…ン………ッ!

ヒュンヒュンヒュンヒュンビュンビュンビュン!


「な、何だ!?」

奇妙な、耳をつんざく音が…
今度は完全に聞こえた!

風を切るような音が、俺の後ろから!


俺達の後方には、東野原高校の生徒が数人。
部活の仲間だろうか?

その端の一人の様子が何かおかしい。

その生徒に『何か』が
覆いかぶさっているように見える!

生徒本人や仲間は、全く気付いていないようだ…

しばらくして『何か』は消えた、が………
目の錯覚だった、のか…?


いや………、違う!!


端の生徒は仲間に話し掛けているのに、全く相手にされていない。

さっきまで彼は話の中心だったから、いきなり無視されているのは不自然だ………


そこで俺は気付いてしまった。

夕日に照らされて伸びる影が、生徒の人数より一つ少ない!

端の生徒の影が無い!!


「な、何だ?
どうなっているんだ!?」

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