魔神戦記!
 
身体の根本から姿が変化する感覚が、全身に走る。

腕が、足が……
身体が変わる!!


神化する時の、力が沸き上がる感覚では無い。
枯渇した喉を潤したい…
野性の、飢えた感覚!


リ・シュウが俺を挑発するように叫ぶ。

「それでいい。
魔狼の力、見せてみろ!」

俺の顔も既に人でも魔神でも無い、獣の……狼の顔に変貌した!


ワゥヲオォォォォオオン!


天駆ける魔狼の遠吠えが、曇天から豪雨を呼び、稲妻を轟かせた!

『行くぞ!』


俺の踏み込みスピードは、魔神の姿の時の比では無い。
まさに獣だ!

野性の感覚がが無ければ、この動きに着いて来られまい。


ガキシュ!

ザシュッ、ザビャシュ!

ガギ、ザス、ビュワシッ!


俺の牙が、爪が、容赦なくリ・シュウを攻め立てる!

天目宝旗を棍の形に戻し、俺の素早い連続攻撃に防戦一方のリ・シュウ。

「く、流石に魔狼の速さ、
侮れんな……
ならば!」


フッ


リ・シュウの姿が、また俺の前から消えた!

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